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「自覚」は安全の最初のステップです

年をとると視力、聴力、反射神経、認知力、判断力など、様々な運転に必要な身体能力が衰えていきます。しかし、ある日を境に急に衰える訳ではなく、じわじわと衰えるため、なかなか自覚するのが難しいのが現実です。

「自覚」は安全の最初のステップですから、まずは自覚する必要があるのですが、その自覚のために一番確実なのは、自動車安全運転センターなどが行う実際のテストデータを見ることです。

例えばこんな実験があります。直線のコースを40km/hで走行し「ランプが点灯したら急ブレーキを掛けて下さい」と伝えて運転してもらいます。もちろん、ランプ点灯のタイミングは知らされていません。この結果、65歳未満のドライバーの平均停止時間は2.25秒であったのに対し、75歳未満では2.52秒、75歳以上では3.03秒となりました。

また停止距離も65歳未満のドライバーの平均が15.31mであったのに対し、75歳未満では16.78m、75歳以上では19.84mとなっています。65歳未満と75歳以上を比べると、危険を察知してから停止するまで、なんと4m以上も差が開くのです。

この実験は40km/hで行われましたが、実際の一般道路で流れに乗って運転している場合は、もう少しスピードが出ています。また雨などで路面の状態が悪くなれば、もっと停止距離が長くなることになります。

また実際の運転では、実験のときのように「ランプの点灯を待っている」という状態ではありませんので、もっと条件が悪くなるでしょう。そう考えれば、加齢による衰えを自覚しないことの恐ろしさが理解いただけるのではないでしょうか。

加齢は避けることはできませんので、いつまでも若くないということを、まず「自覚」することから始めていきましょう。