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若者と高齢者のどちらが安全運転できますか？

年を取ってくると運転技術は経験と共に上達し、危険な運転もしなくなるのですが、視力も衰えてきますし、危険などを感じた時の反応も若い時よりは遅くなってきます。このように、老化が運転にも影響を与えるのは、ある意味仕方のないことです。

こういった能力の低下のほかに、実は年を取ってくると、脳の大脳新皮質という、理性や論理を司っている部分の力が弱ってきて、本能を司る旧皮質が全面に出てくる傾向があります。旧皮質は、本能や感情を司っている部分で、子供や若者も大脳新皮質が発達していないため、旧角質に従い行動します。

例えば、泣き出したり、急に走り出したり、大声を出したりする行為は、感情や本能のまま行動している旧皮質による行動なのです。大人になるにつれ、大脳新皮質が発達し、旧皮質を制御するようになっていくのです。ちょうど、それは本能のままに走ろうとする馬を、騎手がコントロールするようなものです。

しかし、年を取ってくると、せっかく発達した大脳新皮質がまたコントロールを失い、旧皮質の本能が表に出てくるのです。そのため、高齢になると小さな子供のように、わがままになったり頑固になったり、自己中心的な言動が現れたりするのです。

そして、そのような旧皮質に支配された行動は、車を運転しているときでも現れます。本能のまま運転するのに、目や反射神経は劣ってきているのですから、このような状態では危険を回避することは不可能でしょう。高齢者は、そういった危険性を意識しつつ、安全な運転を心がけるようにしたいものですね。