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余裕を失う運転を作り出すアルコールの危険性

「1本の縫い針の穴へ1時間以内に糸を通して下さい」と言われたらできないと思いますか？ほとんどの人は「できる」と答えるでしょう。では、それを3秒で通すように言われたらどうでしょうか。

このように同じ作業でも、時間のない作業は失敗する確率があがります。実はこの「余裕のない状態」を作り出してしまうのが飲酒運転です。運転する上で余裕を持つためには、広い範囲に注意して情報を集め、早く認知して、それに対応できるように情報を処理する必要があります。

しかしアルコールが入ってしまうと、視野が狭まるため情報を集める範囲は狭くなりますし、情報処理や判断を行うスピードも遅くなるため、同じことをしても時間がかかってしまいます。そのため、余裕のない運転となってしまうのです。

飲酒運転の実験では、余裕を失ったドライバーは、自分に課してる安全のための規制をも外すことが明らかになっています。例えば、踏切ので一旦停止を怠ったり、一時停止を無視したり、車線を区分するラインを踏んだり跨（また）いだりするような運転をしだすというのです。

普段では絶対しない運転も、アルコールが入ると余裕がなくなるため、ある意味「なりふり構わない運転」となってしまうのです。実験の場合は、踏切でも電車は来ませんし、一時停止を怠っても出合い頭衝突をする車は走っていません。

しかし実際の道路では、ありとあらゆる場所に、まるでトラップのように事故の可能性が潜んでいるのですから、アルコールを飲んで事故を起こさないほうが不思議ではないでしょうか。アルコールを飲んで、余裕を失った結果、家族や仕事までも失う結果となることがないよう「飲んだら乗るな」を徹底してくださいね。