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先急ぎ運転と安全運転による到着時間の差はどれくらい？

急発進で走り出し、速度を上げて、車間距離は詰め気味で、空いている車線を縫うように車線変更しながら目的地まで走ると、どれくらい早く着けると思いますか？

これをプロドライバーであるタクシーの運転手を対象に、ある調査をしました。距離は12.5kmで通常は30分程度の距離を、（1）速度を上げて先を急いだ運転をした場合と（2）必要な車間距離をあけて、一時停止場所で2段階停止をする程の安全運転で走った場合の時間を測定したものです。

その結果、安全運転の車は最大35分39秒、最小30分38秒、先急ぎ運転の車は最大33分16秒、最小27分52秒となり、平均では2分45秒の差しか生まれませんでした。ちなみにこの調査をする前に、プロのタクシードライバーへ行った聞き取り調査では、ほとんどの運転手が「5分〜10分は目的地までの時間を短縮できる」と答えていたのです。

プロのタクシードライバーでも、このような大きな錯覚を起こしているのです。危険なのは「先を急げば時間が短縮できる」という錯覚よりも、むしろ「先を急いでも安全だ」という錯覚です。

先急ぎ運転は、燃費も悪く、環境にも悪いだけでなく、事故の危険性を上げて走っているのです。そう考えると、数分早く着くためだけに、先急ぎ運転を行うメリットが本当にあるのかを考え直してみる必要があると言えるでしょう。